提案書/企画書が“お客さんに刺さらない”のは、なぜか?
せっかく時間をかけて「提案書/企画書」を作成したのに、お客さんに全く刺さらない。。。
こんな経験、皆さんにはないでしょうか?(私が新人/若手の頃は、こんなことばかりでした、、、)
では、“提案書/企画書がお客さんに刺さらない”のは、一体なぜなのでしょうか?
私は、大きく3つの理由があると考えます。
- “背景・前提に対する認識”がズレている(正しく理解していない)【Why】
- “目的・ゴール”や“課題”、“課題解決/企画において押さえるべきポイント”を、
納得感ある形で顧客と握れていない【What】 - 具体的な施策(ソリューション)に魅力や納得感がない/魅力やメリットを顧客へ
訴求できていない【How】
さて、如何でしょうか。
私の場合、“提案書/企画書がお客さんに刺さらない”場合は、たいてい、この3つで説明することができました。
そして、新人/若手の頃は、ついつい、
●「具体的な施策(ソリューション)」の中身や見せ方、訴求の仕方(説明の仕方)がダメなのではないか?
と考えてしまいがちでした。
(※そもそも、提案書や企画書自体も、【How】が中心の内容になってしまっていました)
しかしながら、実際には、「1」や「2」が原因で上手くいっていない(WhyやWhatを正しく押さえられていないが故に、結果としてHowもイマイチなものになってしまっている)ケースが大半でした。
つまり、【How】の前に、“【Why】や【What】を正しく押さえる・握ることができていなかった”ことが、“お客さんに提案書/企画書が刺さらない最大の理由”だったのです。
Howではなく、“Why”と“What”について議論する
改めて、“提案書/企画書がお客さんに刺さる”ためには、下記3点を押さえることが重要です。
- “背景・前提”を正しく理解する【Why】
- “目的・ゴール”や“課題”、“課題解決/企画において押さえるべきポイント”を、
納得感ある形で顧客と握る【What】 - 上記を踏まえた、魅力的・納得感のある具体的施策(ソリューション)を、適切な形で顧客へ訴求する【How】
そして、この中でも特に重要なのが、「1」と「2」です。
つまり、提案書/企画書を作成する上でまずやるべきことは、“【Why】や【What】を正しく押さえる・顧客と握る”ことなのです。
「1」については、いわば“当たり前”のことなので、普段から意識・実践しているよ~という人も多いことと思います。
一方で、「2」については、“意外と実践できていない/実践しようと思っても難しい”のが現実ではないでしょうか。
特に、「“目的・ゴール”や“課題”を正しく押さえる」ことはできていたとしても、
「“課題解決/企画において押さえるべきポイント”を、納得感ある形で顧客と握る」ことができていないケースは多々あります。
そして、この「“課題解決/企画において押さえるべきポイント”を、納得感ある形で顧客と握る」という点が、難しくもあり、非常に重要な点でもあります。
では、そもそも、“課題解決/企画において押さえるべきポイント”とは、一体何なのでしょうか?
これは、一言で言えば、“課題解決”あるいは“企画”における「サブ論点」のことです。
つまり、「~という課題を解決するためにはどうすればよいか?」、「~という目的・ゴールを実現するためには、どうすればよいか?」という「主論点」に答えを出すための、「サブ論点」のことです。
(※「論点」、「サブ論点」については、『過去の記事(思考の基本技_論点思考)』をご覧ください)
そして、この「サブ論点(=課題解決/企画において押さえるべきポイント)」を顧客との間でしっかりと議論しておく・握っておく(納得してもらう)ことが、“顧客に刺さる提案書/企画書”を作る上で、とても重要です。
ちなみに、、、この“課題解決/企画において押さえるべきポイント”を顧客と議論・握っていく際には、「左脳的アプローチ」だけでなく、「右脳的アプローチ」も活用することが重要です。
つまり、“課題解決/企画において押さえるべきポイント”を「文字情報」として示すだけではなく、「絵」に落とした上で“視覚的にイメージ”してもらうことが重要です。
(さらに言えば、最初に、「ポンチ絵」を用いて「押さえるべきポイントの全体像」を右脳的にイメージしてもらった上で、その後に、「文字情報」で左脳的に詳細を理解してもらう方法が良いかと思います)
さて、この辺で話をまとめておきたいと思います。
改めて、、、提案/企画のプロセスにおいては、【How】ではなく、【Why】や【What】について議論することが重要です。
そして、特に、“提案/企画の中身を考える上での肝”となる、「課題解決/企画において押さえるべきポイント【What】」について、顧客としっかりと議論した上で、顧客にとって納得感ある形で握っていくことが重要です。
クライアントと“一緒に創る”
さて、ここまで、“提案/企画のプロセスにおいては、【How】ではなく、【Why】や【What】について議論する・押さえることが重要だ”という話をしてきました。
そして、この“【Why】や【What】について議論・握っていくプロセス”において重視したいのが、“クライアントと一緒に創る”というスタンスです。
つまり、お客さんとの関係性を、「提案する側」と「提案を評価する側」という関係性にしないということです。
そして、この“お客さんと一緒に創っていく”スタンスをとることで、結果的に、What(特に、課題解決/企画において押さえるべきポイント)について、納得感を持った形でお客さんと握ることが可能となります。
なお、提案書/企画書を“お客さんと一緒に創っていく”ためには、、、
いきなり「本提案」として持っていくのではなく、「提案に向けたディスカッション」、「プレ提案」というプロセスを挟みながら、“丁寧にディスカッションしていく(=顧客の考えを、提案書や企画書に盛り込んでいく)”ことが重要です。
まとめ
さて、今回は、“「提案書/企画書」作りのコツ”について話をしてきました。
具体的には、
・提案書/企画書がお客さんに刺さらないのは、“【How(具体的な施策・ソリューション)】のことばかり考えてしまっている/訴求してしまっている”から
・本来は、【How】ではなく、【Why】や【What(特に、課題解決/企画において押さえるべきポイント)】について議論する・押さえることが重要
・さらに、提案/企画のプロセスにおいては、“お客さんと一緒に創っていく”スタンスが重要
という点を確認してきました。
ぜひ、日々の仕事においても、上記の点を意識・実践してもらえればと思います。
本ブログの狙い
本ブログでは、若手ビジネスパーソン向けの”応援ネタ(参考情報)”を少しずつ発信していきたいと思います。
皆さん一人ひとりが、“自身の目の前の仕事を再定義・プロジェクト化しながら「自分ならでは(個としての独自性・芸)」を磨き・極めていく”ことを願って。
※記事のテーマ・内容は、気の赴くままに。更新は不定期です。
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