議事録作成は、“総合格闘技”である
若手時代に誰もが経験するタスク。それが、「議事録作成」ではないでしょうか。
そして、この「議事録作成」は、様々なタスクの中でも、“意外と難しい”タスクの1つでもあります。
議事録作成は、まさに“総合格闘技”。私はこのように考えています。
なぜなら、議事録を作成するためには、「聞く力(相手の話を聞き取り・理解する力)」、「(目的を踏まえて)構造化・整理する力」、「相手(読み手)の立場に立って考える力」、「正しく書く(表現する)力」等、様々なスキルが求められるからです。
そして、このように様々なスキルが求められるからこそ、「議事録を読めば、仕事のできる/できない(基礎スキルが鍛えられている/鍛えられていない)を一目で判断することができる」と仰る方もいるくらいです。
さて、簡単そうに見えて、“意外と難しい”議事録作成。
そこで、議事録作成において“陥りがちな罠”と、“議事録を作成するためのポイント”について、
簡単に記載してみたいと思います。
議事録作成における、“ボトムアップ思考”の罠
まずは、議事録作成において“陥りがちな罠”について。
さて、皆さんは、議事録を作成するとき、どのような手順で作成していますか?
ここで、私の新人時代の“典型的な議事録作成プロセス”を紹介したいと思います。
・まずは、会議中に、参加者の発言を一言一句漏らさずノート(あるいはPC)にメモする
(新人/若手の頃は、とにかく全ての発言をメモしておくように指導されていました)
・その上で、会議後に、上記のメモを“グルーピング(どんなテーマ/トピックについて話されたのかを分類・整理)”しながら、議事録として纏めていく
だいたい、いつもこのような感じで作成していました。
そして、これこそが、まさに“ボトムアップ思考”の罠に陥っている状態なのです。
では、この作成方法は、一体何が問題なのでしょうか?
それは、議事録の作成に“とても時間がかかってしまう”という点です。
特に、会議時間が長くなればなるほど、議事録の基になる“メモの分量(会議での各参加者の発言量)”も多くなってしまうため、それら全てを“ボトムアップ的にグルーピングしながら整理”しようとすると、とても時間がかかってしまうのです。
時間が短く・参加者も少ない会議であれば、上記の方法でも問題なかったのですが、、、
会議時間が長く・参加者が多い会議になると、メモした内容をグルーピング・整理しながら纏めていくのに、とても時間がかかったものです。
さて、この「ノートやPCにメモした内容を“グルーピング(どんなテーマ/トピックについて話されたのかを分類・整理)”しながら、議事録として纏めていく」方法が、“ボトムアップ思考”の罠(=イマイチな作成方法)だとするのであれば、、、
一体、どのような方法で議事録を作成していけばよいのでしょうか?
議事録作成のポイントは、“トップダウン思考”
“トップダウン思考”。これが、議事録を短時間で効果・効率的に作成するためのポイントです。
具体的には、、、「会議中にノートやPCにメモした内容(一言一句メモ)」を基に、
●まずは、「決定事項」と「ネクストステップ」を記載します。つまり、その会議の「論点(会議を通じて答えを出そうとしていたポイント)」に対する答えを書くのです。
●その上で、上記の決定事項とネクストステップの根拠となる、「議論の詳細」を記載します。
そして、こちらについても、会議の「論点」ごとに、必要な内容を纏めていくのです。
(論点と関係のない枝葉末節のような発言については、ドロップしてしまう/「その他の討議内容」として纏めてしまう)
さて、いかがでしょうか。
議事録作成における“トップダウン思考”とは、会議の「論点(会議を通じて答えを出そうとしていたポイント)」に沿って、必要な内容のみを取捨選択しながら纏めていく方法です。
つまり、
●その会議の「論点(答えを出すべき/論じるべきポイント)」を確認・明確にした上で、
●「論点」に対する検討結果&議論の内容(詳細)を記載する
これが、短時間で効果・効率的に議事録を作成するためのポイント(=トップダウン思考)です。
ちなみに、この“トップダウン思考”での議事録作成をより効果・効率的に行うためには、
以下のように、“会議前の準備”、及び“会議中のメモの取り方”も工夫していくことが重要です。
例えば、
・会議前には、予め、「論点(その会議で答えを出すべきポイント/論じるべきポイント)」を明確にした議事録のフォーマットを作成しておく
・その上で、会議中は、上記のフォーマットを活用しながら、「論点」ごとにメモを取っていく
こうすることで、より、短時間で効果・効率的に議事録を作成することが可能になります。
ちなみに、、、会議の「論点」が曖昧であったり、「論点」に対する結論等が不明な場合は、その会議のファシリテーターである、皆さんの上司が“イケてない”のかもしれませんね・・・
(是非、会議の前に、上司と「論点」を擦り合わせておくことをオススメします)
まとめ
さて、今回は議事録作成におけるポイントを紹介してみました。
議事録を短時間で効果・効率的に作成するためには、
・トップダウン思考が重要
・具体的には、会議の「論点」を明確にした上で、「論点」に沿ってまとめていく
ことが重要です。
本来、議事録作成においては、この他にも意識すべきポイントがたくさんあるのですが(冒頭で、「議事録は“総合格闘技”」と申し上げたように、とても奥深い世界なのです)、、、
まずは、上記の点を意識しながら”議事録作成力”を鍛えてもらえればと思います。
本ブログの狙い
本ブログでは、若手ビジネスパーソン向けの”応援ネタ(参考情報)”を少しずつ発信していきたいと思います。
皆さん一人ひとりが、“自身の目の前の仕事を再定義・プロジェクト化しながら「自分ならでは(個としての独自性・芸)」を磨き・極めていく”ことを願って。
※記事のテーマ・内容は、気の赴くままに。更新は不定期です。
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