「事実」と「意見」を切り分ける
新人/若手時代に、誰もが上司から指導されることの1つ。
それが、“「事実(ファクト)」と「意見」を分けて報告しろ!”というものではないでしょうか。
例えば、上司に対して“よくやってしまいがち”な報告例として、、、
・A社への提案の件、コンペになりそうなので、価格がネックになりそうです・・・
上記のケースの場合、“コンペになりそう”、“価格がネックになりそう”のどちらも、
「事実(ファクト)」なのか「意見(自身の解釈)」なのかが良く分からない報告になってしまっています。
この場合、上司としては、まずは「事実(ファクト)」を知りたくなります。
では、「事実(ファクト)」とは一体何なのか?
例えば、上記のケースであれば、、、以下のような内容が「事実(ファクト)」です。
・担当課長のXさんが、「今回はコンペにする」と言っていた
・担当課長のXさんが、「価格は重要な判断要素だ。また、おたくの提示価格は他社(競合先)の2倍だ」と言っていた
まずは、このような「事実(ファクト)」を正しく捉え・正しく報告することが重要です。
その上で、この「事実(ファクト)」を“どう解釈し・どうアクションすべきか?”について、自分なりの意見を持った上で、上司と擦り合わせる・相談することが重要です。
さて、この他にも、下記のような報告をしてしまうケースもあるのではないでしょうか。
・今日の訪問ですが、先方のY課長には、提案の方向性を理解・納得してもらえたと思います
このような場合も、まずは、「事実(ファクト)」を正しく捉え・伝えることが重要です。
“提案の方向性を理解・納得してもらえたと思う”というのは、あくまで自身の意見(解釈)ですので、まずは、“先方がどのような発言をしたのか?どのようなリアクションを取ったのか?”を事実ベースで報告することが重要です。
「事実」を要約する
さて、“「事実」と「意見」を分けて考える/話す”ことができるようになったら、次に意識・実践していきたいのが、“「事実」を要約する”という基本動作です。
例えば、営業(商談)から帰ってきた後の上司への報告シーンにて、、、
下記のような感じで報告してしまったことはありませんか?
(新人/若手の頃は、「とにかく丁寧に・詳細に報連相しなければ!」と思うがあまり、色々と伝えてしまいがちです・・・)
・課長のAさんは、XXについて、〇〇と言っていました
・また、YYについては、△△と言っていました
・一方で、担当者のBさんは、XXについては、◇◇と言っていて、YYについては〇〇と言っていて・・・
上記の報告は、確かに、「事実(ファクト)」ベースで報告できています。
しかしながら、上記のような報告を受けた場合、上司からすると、「色々と言ってたのは分かるけど、結局どういことなの?」と思ってしまいます。
つまり、上司からすると、単に「事実(ファクト)」を羅列するだけでなく、
「要はどういうことなのか?/どういう状況なのか?」を端的に報告して欲しいのです。
これが、“「事実」を要約する(要約して伝える)”という基本動作です。
「示唆」まで述べる
さて、
・「事実(ファクト)」と「意見」を切り分ける
・「事実(ファクト)」を要約する
を実践した上で、さらに意識・実践していきたいこと。それが、“「示唆」まで述べる”という基本動作です。
では、“「示唆」まで述べる”とは、一体どういうことか?
私は、下記2点を述べることだと思っています。
・その「事実(ファクト)」の、“自分/自社にとっての意味合い”とは?
・「事実(ファクト)」を踏まえた、“取るべきアクションの方向性”とは?
例えば、A社への提案に向けた商談にて、、、
・担当課長のXさんが、「今回はコンペにする」と言っていた
・担当課長のXさんが、「価格は重要な判断要素だ。また、おたくの提示価格は他社(競合先)の2倍だ」と言っていた
このような「事実(ファクト)」を掴んだ場合、、、これらの「事実(ファクト)」を踏まえて、上司に対してどのような報告をすればよいのでしょうか?
営業担当であるあなたが、もし、この「事実(ファクト)」だけを報告したとすると、
上司は必ず、「で?(どうするの?)」と言ってくるはずです。
さて、ここで重要になるのが、“「示唆」を述べる”という基本動作です。
この場合であれば、例えば、、、
「このままいくと、単純な価格勝負になってしまう(=自社にとって不利になる)可能性があります。そのため、戦う土俵を変えるために、検討の押さえどころ・判断軸等について、早急に先方へ説明・訴求していく必要があります」
といったような「示唆(解釈+アクションの方向性)」まで述べると良いのではないでしょうか。
(「示唆」まで述べることで、今後のネクストステップについて、上司と相談・擦り合わせることができます)
如何でしょうか。「示唆」について、イメージできましたか?
さて、“「示唆(解釈+アクションの方向性)」を述べることの重要性”について確認してきましたが、最後に、示唆を述べる上での重要なポイントを確認しておきたいと思います。
それは、“「論点(答えるべき問い/相手の問い)」に対して、意味のある「示唆」を述べる”ということです。
例えば、ある商談結果(訪問結果)について上司へ報告する際に、
●「案件は、どのような状況なのか?自社にとって、有利なのか/不利なのか?。
コンペで勝つために、どのようなアクションをとるべきか?」
という「論点(答えるべき問い/相手の問い)」に答える場合と、
●「案件は、どのような状況なのか?そもそも、自社にとって本当に狙うべき・提案すべき案件なのか?」
という「論点(答えるべき問い/相手の問い)」に答える場合と、
●「案件は、どのような状況なのか?(いくらくらいの案件なのか?売れそうそうなのか?)今期の売上目標は達成できそうなのか?」
という「論点(答えるべき問い/相手の問い)」に答える場合とでは、
述べるべき「示唆(解釈+アクションの方向性)」は全く別物になってきます。
(上記は、少し極端な例ですが、、、)
ですので、「示唆(解釈+アクションの方向性)」を考える/述べる際には、
必ず、「論点(答えるべき問い/相手の問い)」とセットで考えることが重要です。
※「論点(答えるべき問い/相手の問い)」については、過去の記事を確認下さい
まとめ
さて、今回は、“示唆まで述べる_ファクトの羅列で終わらない”という話をしてきました。
具体的には、
・まずは、「事実(ファクト)」と「意見」を切り分けて考える/報告する
・その上で、「事実(ファクト)」を要約する
・更に、「事実(ファクト)」を踏まえた「示唆(解釈・意味合い+アクションの方向性)」まで述べる
ことの重要性について確認してきました。
ぜひ、日々の仕事において、“示唆まで述べる_ファクトの羅列で終わらない”ということを意識・実践してもらえればと思います。
本ブログの狙い
本ブログでは、若手ビジネスパーソン向けの”応援ネタ(参考情報)”を少しずつ発信していきたいと思います。
皆さん一人ひとりが、“自身の目の前の仕事を再定義・プロジェクト化しながら「自分ならでは(個としての独自性・芸)」を磨き・極めていく”ことを願って。
※記事のテーマ・内容は、気の赴くままに。更新は不定期です。
<人事/人材開発ご担当者の方へ>
若手社員向けの研修・トレーニング等のご相談は、こちらまでお問合せください。